2023年07月30日

外壁材の特徴を解説

外壁材には、窯業系サイディング、金属系サイディング、木質系、樹脂系サイディング、ガルバリウム鋼板、モルタル、タイル、ALCなどがあります.それぞれの特徴は以下の通りです。

(ニチハ コスモトーン調プレミア)

窯業系サイディング

コストと機能性のバランスに優れ、豊富なデザインとカラーバリエーションが魅力。窯業系サイディングは、セメントと木材繊維などを薄い板状に加工した外壁材で、日本の新築住宅で最も多く使われている外壁材です。窯業系サイディングは、コストパフォーマンスが高く、初期費用が手頃なのが人気の理由です。また、木目調、レンガ調、タイル柄などデザインが豊富で、耐震性や耐火性にも優れた機能性を持っています。ただし、窯業系サイディングはこまめにメンテナンスや塗装が必要な外壁材であり、10年に1度は塗装が必要です。 

 

金属系サイディング

 

金属系サイディングは、軽量で施工しやすく、耐震性・断熱性・防音性・耐凍害性など、優れた性質を持っています。鉄やアルミニウムなどの板材に、発泡系樹脂断熱材を補強材として成形する外壁材。一方、金属の性質上、酸・塩分に弱いため、表面に傷がつきやすいという特徴があります。

 

木質系サイディング

木質系サイディングは、天然木を使用した板状の外壁材で、木材ならではの独特な雰囲気を感じることができます。天然の木材を使用しているため、熱を吸収しにくく、断熱性が高いという特徴があります.ただし、天然の木材を使用しているため、非常に高価であることが特徴です。また、経年劣化の影響を受けやすく、他の外壁材よりもメンテナンス頻度が高いです。

 

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは、耐久性が高く凍害などにも強いことから、北米では50年以上も前から普及しておりシェア率は約50%を占めています。しかし、日本ではまだまだ少数派と言える外壁材です。樹脂系サイディングのリフォームは失敗/デメリットが多いとされています。樹脂系サイディングの国内シェア率は1%程度であり、取り扱いメーカーが少なく、施工できる業者も限られています。 

北海道、東北などの寒冷地に採用物件が見られますが関東の施工物件はほぼ無いようです。

 

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は圧延された鋼板の上からガルバリウムによるめっきを施した部材です。めっきは合金であることから、主に溶融によって行います。ガルバリウムの組成は、アルミニウムが55%、亜鉛が43.4%、そして、シリコンが1.6%です。

アルミニウムは長期耐久性と熱に強い特徴を持ちます。また、亜鉛はガルバニックアクションを発生させます。ガルバニックアクションとは、亜鉛が酸化することで酸化被膜を形成して防錆作用を持つことです。犠牲防食効果とも呼ばれます。

ガルバリウム鋼板は上記より、アルミニウムの耐久性・耐熱性と亜鉛による耐食性を有する鋼板となります。

ガルバリュウム鋼板の詳細は、過去の記事がございますのでそちらをご覧ください。

 

モルタル

モルタルが日本へ本格的にもたらされたのは、明治になって洋風建築が取り入れられるようになってからのこと。普及の追い風となったのが、モルタルの特徴である高い耐火性でした。日本では木造建築が主だったため、一度火災が起こるとあっという間に燃え広がってしまいました。

特に1923年の関東大震災で木造建築に甚大な被害が発生したことから、あらためてモルタル外壁が見直されることとなったのです。
そして、戦後の1950年に建築基準法が制定され、モルタル外壁が急速に普及していきます。こうして1990年ごろまでは、日本の住宅における外壁材の主流として幅広く取り入れられていました。

・参考:モルタル外壁の家、ほんとうの話「モルタル外壁の歴史を知る」

モルタル外壁の特徴としては、耐久性が高いこと、デザインの自由度が高いこと、耐火性があることなどが挙げられます。一方で、モルタル外壁はひび割れしやすいという欠点がありますが、対策工法として富士川建材工業 ラスモルノンクラック工法などがあります。

モルタル塗り外壁の仕上げ材としては 近年、アイカ工業のジョリパット フッコのマヂックコート SK化研のベルアートなどの高意匠性材料が人気になっています。

 

タイル

見た目の豪華さや高級感があり、存在感のある外観を演出しやすい。様々な色や形、模様のタイルを組み合わせることで、オリジナリティの高い外観を作ることができます

防汚性、耐久性や耐候性に優れている商品が増えていいます。

タイル自体は耐久性が高いのですが、下地や目地などが劣化する可能性があります。

メンテナンス方法は 浮き(接着不良) 割れの調査後、エポキシ樹脂注入、目地充填、割れているタイルは張替、接着剤補強等が考えられます。

RC造 タイル割れ部 斫り 撤去作業)

(浮き部等タイル張替個所)

外壁タイルは初期工事費用が高額であること、耐震性が低めであることなどが欠点です。

 

ALC

軽量である・耐火性・防音性・断熱性・耐衝撃性に優れており、空気の層が外部からの熱を断つことで『夏に涼しく、冬に暖かい』住宅を実現しやすくなる。防水性は表面塗装方法で変わる軽量であること、こと、断熱性が高いこと、ことなどが挙げられます。一方で、ALC造は水に弱いという欠点があります。塗装、シーリング打ち換えなどのメンテナンスを怠ると吸水し脆くなっている物件が多く見られます。

 

ALC板間シーリング打ち換え作業)

木質系外壁、木質系サイディング:木質系外壁の特徴としては、自然な風合いがあること、断熱性や遮音性やデザイン性が高いことなどが挙げられます。一方で、木質系外壁は耐用年数が短く、水分に弱いというデメリットもあります。

その為、7年から10年ごとに塗装やコーキングのメンテナンスが必要になります。