1. 外壁に用いられる主な塗料の種類と特徴

外壁に用いられることが多い塗料の種類と、それぞれの特徴について見ていきましょう。

1-1. ウレタン塗料

ウレタンは、密着性に優れていて伸びが良く、光沢があることが特徴です。防水や耐水にすぐれ、価格が安いので、バランスが取れている塗料です。広い部分に塗ることができます。他の塗料と比べると、汚れに弱いです。
経済的に外壁の塗り替えをしたい、外壁の剥がれているのが気になる箇所のみ塗りたい時におすすめの塗料です。また、密着性が高いので、雨どいや手すり、曲がった部分等にも向いています。

1-2. シリコン塗料

近年、外壁で広く用いられているのがシリコン塗料です。ウレタンよりもより耐久性が高く、親水性が高いので、汚れが落ちやすい性質を持っています。価格とのバランスが良く、コストパフォーマンスが高い塗料として人気です。さまざまなメーカーから発売されていることから、生産されている量、種類が多く選択肢が多いこともメリットと言えます。耐用年数は10年ほどで、ウレタン塗料よりもメンテナンスのサイクルが長いことも特徴です。

1-3. フッ素塗料

フッ素塗料は、シリコン塗料よりもさらに高い耐久性を持っている塗料です。撥水性にすぐれ対候性が高いことが特徴となっています。耐用年数は15年から20年ほどです。スカイツリー等の有名な建築物にも使われています。
耐久性の高さから、施工費用も高く、以前はビルや施設等で使われていた塗料でしたが、近年は住宅用の塗料にも使われるようになってきています。外壁をできるだけ長持ちさせたいと考える人に向いています。

1-4. ラジカル抑制塗料

ラジカル抑制塗料はとても新しい種類の塗料です。シリコン塗料よりも耐久性に優れていることが特徴です。通常の塗料には酸化チタンという成分が含有されていて、紫外線にさらされることによって、ラジカルという、塗料が劣化する要因となってしまいます。
ラジカルの発生を抑えることができるのが、ラジカル抑制塗料です。紫外線が当たっても、ラジカルを包み込んでしまう効果があることから、ラジカルによる劣化を防ぐことができます。

1-5. 光触媒塗料

光触媒塗料も近年登場したばかりの塗料です。セルフクリーニング効果があることが大きな特徴の塗料です。塗ることで表面が二酸化チタンに覆われます。二酸化チタンは紫外線があたると活性酸素が発生します。
活性酸素は、排気ガスなど、空気の中に含まれている汚染物質を分解する性質があり、汚れがたまりにくくなります。さらに親水性に優れているので、塗膜に付いた汚れが洗い流される仕組みとなっています。臭いが付きにくく、耐用年数が20年前後と長いこともとメリットです。
種類がまだ少なく、施工にかかる費用が高いことがデメリットと言えます。また、セルフクリーニングと言っても、サビや泥等、光触媒では落とせない汚れもあることに注意しましょう。

1-6. 無機塗料

無機塗料とは、炭素を含まない鉱物、レンガ、ガラスなどが含まれた塗料のことです。劣化の原因となる有機物がほとんどないため、熱に強く、耐用年数が25年から30年と、もっとも長いことが特徴です。静電気の発生が少ないのでホコリも付きにくく、水で汚れが落ちやすくなります。また無機物ですので、カビやコケの発生も抑えることができるのもメリットです。
無機塗料と言ってもまったく有機物を含んでいるわけではないことから、無機有機ハイブリッド塗料、無機ハイブリット塗料といった呼ばれ方をすることもあります。
また塗料によっても、配合の割合によって性能が大きく変わってきます。有機物の割合が多いと、その分劣化も進みやすくなります。耐用年数が長い分、施工コストがかかりますが、外壁塗装の回数を極力減らしたい人に向いています。